HBSのコロナ対策&休学に関する考え方


夏休みも残り1カ月半になりました。「まだそんなに残っているのか」という気持ちと、「もうそれしかないのか…」という気持ちが半々です。

HBSの生徒が世界各国に散らばり現地企業の事業を短期サポートするFGI(FIELD Global Immersion)と呼ばれる学期末のプログラムが今年はコロナの影響で無くなったため、例年よりも夏休みが少し長く、何と16週間もあるのです。

夏休みに入ってから既に10週間が経ち、残り6週間です。

アメリカではコロナの状況が一向に改善せず、一日あたりの感染者数の最高値が次々に塗り替えられ、数日前に遂に一日7万人以上にまで増えました。
日本では一日数百人で大騒ぎになっているようですが、こちらは2ケタも違います…。。



HBSでは来学期、1) オンラインのみで行われるクラス2)オンラインと対面を組み合わせるクラスの、2パターンのクラス/科目が想定されていますが、コロナの状況次第では2)が一時的にストップして全てオンラインになってしまう可能性もあるかと思います…。

ただ、HBSが存在するマサチューセッツ州は幸い全米でも稀に見るコロナの感染者数が低く抑えられている州であり、4月末以来、一日の感染者数は減少しているので、引き続き改善することを願います。



<HBSでのコロナ対策>
HBSがどのようにコロナのリスクを抑えていくかについての全貌はまだ明らかになってはいませんが、いくつか見えてきたことがあります。

①ハイブリッドクラス
これは既に何回か紹介している通りですが、対面とオンラインを組み合わせた授業のことです。HBSでは通常1クラス90人程度の生徒がいますが、教室に90人が座るとどうしてもSocial Distanceが保てません。
Social Distanceを保てるギリギリが21名になるため、教室に21名、Zoomでリモートから約70名が授業に参加するという形式になります。

5月末に行ったシミュレーションでは、教授はモニタを使いながらZoomの参加者と、教室にいる生徒の両方と対話をしながら議論を進めたとのことです。
教室にいる生徒の目の前にもカメラが設置され、Zoom参加者にも教室にいる生徒の様子が伝わるようになるそうです。


②誓約
HBSコミュニティの健康・安全を守るため、生徒一人一人の規範に関して誓約が求められています。

誓約が求められる内容は以下の通りです。
  • キャンパスへのアクセスには事前の承認が必要な場合があり、学校から伝えられている健康・安全のガイドラインに従わないとキャンパスへのアクセス権限を失う可能性があることを私は認識しています
  • キャンパスに来る場合は、国、州、地方自治体、ハーバードビジネススクール、ハーバード大学による決定や健康・安全に関するガイドラインに従います
  • キャンパスに来た場合、私は自分の個人的な考えにとらわれず、健康・安全のガイドラインに準拠するように、自分の意思決定を変更する必要があることを理解しています
  • 私の行動は、敬意、誠実さ、説明責任の模範を示すものでなければならないことを認識しています

③スケジュール変更
去年の2年生と、今年の2年生の授業のスケジュールを比較してみました。
すると、今年は不確定要素が多いからか、スケジュールにバッファーが積まれていることに気が付きます。

これが去年のスケジュール。

そしてこれが今年のスケジュール。

気が付いた大きな違いは2つです。
1つ目は、隔週で水曜日に「Intensive Days; optional classes TBA」という不思議な白抜きの日が含まれている点
2つ目は、12月の第2週に「School-elected makeup day」という青色の1週間がある点。

どちらも恐らく、不測の事態を想定して余裕を持ってスケジュールを組んでいる、ということだと思います。
去年までは期末試験が12月第2週で終わっていたのですが、今年は12月第2週にバッファーが含まれていることで、期末試験が終わるのは1週間遅れて12月第3週になりそうです。



その他のコロナ対策としては、以前のブログ記事でも紹介しましたが、消毒のために授業と授業の間の休み時間が長くなったり、まだ詳細はアナウンスされていませんが毎日生徒が回答して学校側に報告しなければならない健康に関するアンケートなども導入予定のようです。

また今月末には、学生、教授、学校スタッフから100名超のボランティアを募って新学期に向けた大規模シミュレーションも行うとのことです。
そこではハイブリッド授業ダイニングホールでの食事キャンパスでのソーシャルイベント等が、どのように安全に行えるかが検証されるようです。



<休学に関する周りの意見>
HBSの1年目を終えてこれから2年目に入る生徒は、1学期、または年単位で休学することができます。これはコロナ以前から存在した規則ですが、このような状況下で休学を真剣に検討している生徒も出てきています。

そして今年の秋から休学をする場合は、3週間後の8月10日(月)までに学校に申し出る必要があります。

学校が生徒に実施したアンケート結果や、生徒同士で情報交換をした結果などを踏まえると、恐らく80-90%くらいがそのまま進学し、10-20%くらいが1学期または1年間休学をするのではないかと予想されます。

"休学派"の生徒の主な意見は、「オンラインではHBSの経験が薄れてしまうので、コロナが落ち着いて対面で授業ができるようになってから戻ってきたい」というものです。


一方で、"そのまま進学する派"からは様々な声が聞こえてきます。
  • 休学をすると人生が「一時停止」してしまい、キャリアにも空白ができてしまう。そのまま2年生に進学して来年卒業し、次のキャリアを早くスタートさせたい。
  • 社費でHBSに来ており、会社側は早く職場復帰することを求めているため、休学は原則禁止になっている。
  • 会社を辞めてHBSに来ているので戻る職場が無いし、このような状況なので新たな職を見つけることも極めて困難。休学をすると、収入が無い期間が長引くだけになってしまう。
  • 1学期または1年休学したとしても、その間にコロナのワクチン開発が成功し予防接種できるようになるかは不透明。ワクチンができないと対面での授業は難しいはずなので、たとえ1年待ってもオンライン授業が続いている可能性がある。
  • 1年目にできた友達と2年目も授業を一緒に受けて、同じ仲間と一緒に卒業したい。
  • ボストンと別の都市で遠距離恋愛をしているが、休学をすると遠距離恋愛を終えるタイミングが先延ばしになってしまう。
  • トランプが今年11月に大統領選に再選したら、留学生にとって更にとんでもない政策を打ち出す可能性があるので、一刻も早くHBSを卒業してしまいたい。
  • 数年以内に自分自身が議員選に出る予定で、そこから逆算して考えると、休学をしては選挙のタイミングに間に合わなくなってしまう。
個人的にも家族事情やキャリアプランを踏まえると、今のところそのまま進学する予定です。

8月10日(月)の意思決定期限が近づくにつれて、学校側から様々なコミュニケーションがなされると思うので注視していきます。

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