2年目秋学期の授業!
新学期が始まってから2週間が経ちました!
最初の1週間は選択授業のAdd & Drop期間だったので課題は普段よりも軽めでしたが、2週目からはしっかり忙しくなりました笑
HBSの1年目は全てが必修科目でしたが、2年目は全ての授業が選択科目なので、自分の興味のある分野を集中して学べます。このようなカリキュラムの差から、HBSでは1年生のことをRC (Required Curriculum) students、2年生のことをEC (Elective Curriculum) studentsと呼んでいます。
さて、今学期は以下の6つの授業を取ることにしました。
- 1. Building and Sustaining a Successful Enterprise (BSSE)
- 2. Corporate Financial Operations (CFO)
- 3. Entrepreneurial Finance
- 4. Entrepreneurship and Global Capitalism (EGC)
- 5. Negotiation
- 6. Conversations on Leadership
1. Building and Sustaining a Successful Enterprise (BSSE)
著書『イノベーションのジレンマ』で知られるクレイトン・クリステンセン教授が教鞭を執っていた、HBSでも人気の授業。2001年に開講して以来、8,500人を超えるHBS生が受講してきました。
実在する企業の過去の出来事を基に議論を進めるHBSでは珍しく、BSSEではTheory(理論、学説)の学びに重きを置いています。
例えば良く耳にする「破壊的イノベーション (Disruptive Innovation)」とは、クリステンセン教授の定義では何を指すのか? どのような場合に起こるのか?
などをTheoryを通じて学んだうえで、過去の事例と照らし合わせてTheoryがどのように実際に活用できるかを議論します。
この授業の目的は、企業のGeneral Managerとなる人材を育成することです。Theoryを正しく学ぶことで、General Managerとして効果的に意思決定ができるようになることを目指しています。
『Building and Sustaining a Successful Enterprise』は単純な授業名に聞こえて、実はかなり難易度の高い事を達成しようとしています。
まずSuccessful Enterprise(成功した企業)をBuild(構築)すること自体が非常に難しく、世の中の失敗事例は枚挙にいとまがありません。 事業が立ち上がった後も、如何に成功した地位をSustain (維持)できるか。
この2点ができてこそ優秀なGeneral Managerと言えるいうことです。
2. Corporate Financial Operations (CFO)
企業における事業投資、売却、キャッシュやリソースの配分方法、業績の測定や改善の方法、リスクマネジメントなどを、ファイナンスの観点から学ぶ授業です。
1年生の時にも必修科目として、Finance I、Finance IIという2つのファイナンスの授業を受けましたが、今学期は更に発展したファイナンスの授業を取ることにしました。
HBSに来る前はファイナンスに関してほぼ何も知らなかったですが、1年間学んでみて「もっと学びたい」という意欲が高まりました。
全く知らなかった分、非常に学びが多く単純に「面白い」ということも一つの理由ですが、もう一つの理由としては「HBSを卒業してもファイナンスのことがいまいち分かっていない」ということは避けたかったからです。
今後どの業界に行っても、ファイナンスの知識は役に立つかと思います。
この授業も非常に人気が高く、授業をbidする際に優先度を一番高くして選択しました。
3. Entrepreneurial Finance
こちらもファイナンスの授業ですが、創業から間もないスタートアップ企業を主に取り扱う授業です。
スタートアップ企業を経営するマネジメント側と、スタートアップに投資をするベンチャーキャピタル側の両方の視点で、事業戦略の評価方法や資金調達の方法について学びます。
今年の夏休みに様々なスタートアップ企業と関わる機会があり、それがきっかけでこの授業を取ることにしました。
HBSに来る前は、歴史のある大手企業に対してコンサルティング業務を行ってきましたが、スタートアップ企業は事業が立ち上がって間もない分、今まで「当たり前」だと思っていた前提条件がほとんど揃っていません。
・プロダクト/サービスが完成していない
・組織の主要な部署が存在しない / 人が揃っていない
・顧客も固定されていないため売上の見通しも定かでない
そのような企業をどのように評価し、どのような条件で投資すべきか?
また、スタートアップ企業側としては、どのように事業を拡大し、ベンチャーキャピタルからどのような条件で資金調達すべきか? 等について学んでいきます。
4. Entrepreneurship and Global Capitalism (EGC)
17世紀以降の歴史を起業家の立場から紐解く授業で、起業家があらゆる歴史の転換点で何をしており、どのような行動を取ったのかを分析し、その是非について議論します。
HBSで最も人気な授業の内の一つで、日本人の卒業生も口を揃えて「取っておくべき」と絶賛していました。
取り扱われる起業家・経営者は世間ではそのビジネス界におけるインパクトから称賛されている著名人が多いですが、輝かしい実績の裏にある非倫理的な面にも焦点を当てていくのが授業の目玉となっています。
例えば、イギリスの貿易会社ジャーディン・マセソン社(前身は東インド会社)の創業者は、どのようにしてアヘンを中国に売り続け富を築いたか。非倫理的な商売を続けるために、どのように社員をコントロールしたか。
ドイツのシーメンス社の創業者は「電信(Telegraph)」の発明を通じ、どのようにグローバル化を促進させたか。一方で、電通がどう戦争や植民地化に利用されたか。 どのようにして、シーメンス一家に巨額の富をもたらしたか。
上記などについて、この2週間の授業では議論をしました。
来週は三菱の創業者である、岩崎弥太郎に関して取り扱う予定です。
5. Negotiation
クラスメイトとの交渉の実践を通じて、交渉のセオリーを体得する授業。
交渉結果から自分の癖、性格などもクラスメートとの比較で知ることもでき、非常にプラクティカルな知識・スキルがつくので取ることにしました。
しかも教授は、NFL(National Football League:アメフトのプロリーグ)のNew England PatriotsのChief Operating Officer (最高執行責任者)として長年勤めており、交渉の実務経験も豊富です。 更にユーモアもたっぷりなので非常に親しみやすいです。
6. Conversations on Leadership
このブログでも何回か触れましたが、著名なHBS卒業生を招き、リーダーとしての視点、選択、価値観、葛藤などを旧セクションの仲間と共に議論をする授業。
第一週目は世界最大規模の投資会社であるBlackstone社の創業者でありChairman/CEOの、Steve Schwarzman氏がゲストで来ました。
そして第二週目は、ヒューレット・パッカード(HP)社のCEOや、EbayのCEOを務めた、Meg Whitman氏が登壇しました。
詳細はまた今度書きますが、一言でまとめるとSchwarzman氏の回は、彼の浮世離れした発言やリーダーシップ論が理由で非常に不評…笑。 経営者として非常に成功していることは言うまでもありませんが、「リーダー」としは 反面教師として見られていました。。
一方でWhitman氏は、地に足のついた考え方や謙虚な姿勢から、非常に学びが多かったと好評でした。
さて長くなってしまいましたが、今学期は自分が想定していた以上に、希望していた人気クラスが受講できているので、俄然やる気が湧いてきました!
各授業の詳細についてはまた後日書くことにします。
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